西游記データべース:所要人物データ:神々データ

三蔵ご一行を手助けしたり、邪魔をしたりとさまざまなことをする神々のデータです。

玉帝

別名:天帝 玉皇上帝 玉皇 元始天尊

道教での最高神。
別名の一つ。
龍王と冥王の訴えを受けて、悟空を天界に呼び寄せ「弼馬温」(馬の世話をする人)を命じたり、悟空に「斉天大聖」と名乗るのを認め。蟠桃園の桃の番人をさせた。神の頂点。
そのあと、天界でやりたい放題した悟空を捕らえるために軍を派遣させたりしている。
結局、どうしようもなくなってしまって手に余ったために仏に頼みこんだ。

道教世界の最高神。道教は複雑のようで、元始天尊と太上老君は同一であるなど元始天尊と玉帝が表裏一体だともいう諸説がたくさんある。
さらに、他に三清といって三体が最高神があるとして、その三尊は、玉清天宝元始・上清霊宝太上道君・太清神宝太上老君であるといわれ。
そうすると、その中の一人は元始天尊で、三人目は太上老君じゃないか、という順が回ってしまいややこしくなる。 玉帝は天の写しとして考え、西遊記では全知全能でもないし、唯一の神でもない。
上のとおり、悟空に手を焼いて、釈迦牟尼仏に救いを求める羽目になった。 自分の妹は下界に脱走して、楊という人の妻になって、二郎真君を産んだりしてる。

"北遊記"という作品では、玉帝自身が地上の瓊花(けいか)という木の匂いにうっとりして、自分の代理コピーを造りだし、それを天宮の玉座に座らせておいて、自分はその木のある家に生まれ変わり、北遊記の主人公となっている。

太白長庚星

別名:太白金星 李長庚 金星

ひどいことをした悟空の処分を免除させて、就職先を決めてくれた。
悟空の迎えに行ったりといろいろ、こまやかに仕事をする神。
他にも八戒を救ったり、悟空が弟子になる前の三蔵を妖魔から守ったり、妖怪退治のアドバイスを詩にして渡したりしている。

唐の詩人の李白のこと。生まれる時に母が長庚星(金星)がふところにはいった夢を見たので、
別名二番目の"季長庚"ともいう。

ちなみに、本物の金星について。
地球の近くを回る惑星で、赤道直径は地球の0.95倍の1万2104キロメートル。重さは、地球のの0.81倍と、大きさ・重さと、地球とそんなに変わらない。
大気のほとんどが二酸化炭素で、濃硫酸の雲が惑星を覆っている。
地球や他の惑星と違って、自転(金星自体がくるりとまわること)は243日で公転(太陽の周りを一周する)225日。 簡単にいうと、一日が一年より長いということでなんともいえない奇妙な感じのする星
近くにあるため、明け方や夕方にちょいとした星としてみえることがある。

須菩提祖師

別名:菩提禅師

悟空の師匠。七十二の変化術や不老不死を教えた仙人。
「孫悟空」の名前もこの人がつけた。
ちなみに、釈迦如来の高弟の十大弟子に数えられている。
日本の興福寺に像がある。

東海龍王

別名:敖広 敖光

東海の水晶宮に住む龍。四大(四海)龍王の長男。
悟空に半ば強引に武器をねだられ、如意金コ棒を与えた。そのあと、服も欲しがる悟空に弟達を呼ぶようにいわれ、結局すべてを奪われて玉帝に訴えでた。
そのあとは、取経をする悟空の協力者として登場することとなる。

三蔵に叱られた悟空に対して、漢の張良が黄石公老仙人に逆らわなかった故事を引き合いに出して説教したり、紅孩児との戦いや虎力大仙との雨乞い対決では、悟空の求めに応じて 雨を降らせた。また、朱紫国王の病を治すためにつばを甘雨にして降らせたりもした。
いわば、龍王の族長という偉い地位にいるので、色々な作品に登場する。東海の水底に水晶宮をかまえすべての水族を支配している。竜宮城のようではあるが、、王妃や王女はいるものの乙姫は存在しない。竜太子という王子もいるらしいが、乱暴で奔放な者が多い。
臣下はカメ、コイが重臣格で、以下、巡海夜叉、鰕臣(かしん)、蟹士(かいし)、更に軍師とか提督とかいるが、魚変が出てこないので省略させていただく。 頻繁に活躍するのは大抵、カメ大臣と巡海夜叉。
これらの部下を率いて、水界を治め、一方で雨を司る。という役目を持っている。

雨を降らせるほうが重要で、玉帝が金衣力士を使わせて、雨を降らすよう命じる。多少自由裁量の余地があるものの水不足や長雨による水害を出したりするとその場合、玉帝から怒られる。
下記にある南海、西海、北海の龍王たちもおなじで、この残り三王も、同じ一門、臣属、支配水域を持っていて、司雨大龍神でありそれぞれの地方の人々から祭られ、水上を行く人々に怯えられている。
西遊記では、弱い立場にの龍だが、その理由は悟空に武器防具を与えたという時点で、彼らは力を取られたも同じということになる。力の移行があったわけで、そのために彼らは無力となってしまった。

南海龍王

別名:敖鉱

東海の次の弟。兄貴に呼び出されていってみれば、悟空が服を強請ってる。
召し取ろうといったものの敖広は玉帝に討伐してもらうから、といって身に付けていた紫金の冠を渡した。
兄貴と一緒に、紅孩児の戦いや虎力大仙との雨乞い対決に参戦。
紅孩児の三昧の真火には効果がなかった。

北海龍王

別名:敖順

同じように、東海の弟。
呼び出されて、悟空に上げたのは蓮糸で作った歩雲履を差し出した。
おんなじ様に紅孩児との戦い、虎力大仙の雨乞い対決に参戦。
さらに悟空と鹿力大仙との釜中対決では、鹿力大仙の作った冷龍を奪い、鹿力大仙を殺した。
獅駝洞の三人の大王との戦いでは、捕らえられた三蔵たちが蒸籠で蒸されたときに、鍋に火が届かないように鍋の下で一陣の冷風と化してグルグル旋回して彼らを救ったりもしている。

西海龍王

別名:敖閏

東海の弟。悟空に差し出した服は、黄金の鎖かたびら。
紅孩児との戦い、虎力大仙との対決にも参戦し、雨を降らせた。
ダ潔が三像を捕らえたとき、悟空に監督不届きを指摘されたため、息子の摩昴を向かわせる。
また、辟寒・辟暑・辟塵の三大王が悟空と二十八宿の井木カン・角木蛟らに追われ
西海に逃げ込んだとき、息子と共に兵を率いて行く手をさえぎってつい激戦に加わった。

托塔李天王

別名:李天王、李靖、托塔天王、毘沙門天 李托塔

封神演義でも登場する。ナタ三太子の父親。
手に塔を持つため托塔と言われているが、これは如来にもらったナタの復讐心封じの塔である。
毘沙門天が道教神となったものと考えられている。「水滸伝」では、晁蓋という名で登場している。
悟空討伐の軍の指揮をとったり、協力するときも援軍として参戦した。

ナタ三太子

別名:ナタク、ナタタ(漢字の読み方としては間違い)ナージャとか、ナ叱(しつ)とも

とても人気がある、子供のヒーロー。
どれが原点か解らないので、一番難しそうな出生歴を記すとする。もともとは、玉帝麾下の大羅仙。
玉帝は、この大羅仙を地上俗界に下して、妖を静め、魔を駆逐させようとし、そこで托塔季天王の子として誕生させる。
ところが、ナタと名づけられたこの子供は生まれてまもなく海に飛び込み、龍王すまう水晶宮を踏み倒し、龍王の子、敖丙を捕まえて、背筋を引っこ抜くという乱暴をする。
さらにそれを玉帝に訴えようとした龍王を先回りして、南天門外で争って撃ち殺すという始末。
あげく、如来の弓矢を用いて"諸魔の領袖石記(せきき)の子"を射殺してしまう。もちろん石記はおこって、托塔季天王にすら敵対されてしまう。
托塔季天王は後難をおそれて、ナタを殺そうとするがナタはその行為に怒ってそれならと自害してしまう。
その魂魄は釈迦のところへいき、釈迦はこれを見て「魔を降すために生まれたのに、死んではいみがない(意訳) 玉帝の意向がちゃんと果たせるように生き返らせよう」と蓮根・蓮の糸・蓮の葉で体を作ってもらい神仙として再生させた。
天下の魔王を片っ端から退治するようになった。
この話を発展させて、『西遊記』『封神演義』のナタが生まれたと思われる。
西遊記では、討伐に赴き三面六臂(三面の顔に六本の腕))となって悟空と渡り合うものの、力及ばず敗退。
その後、金閣銀閣との戦いの折、悟空が玉帝に「天を半刻ほど閉じてくれ」というすごい頼みに
「真武の黒旗で日月星辰を隠してしまえばいいのです」と助言したり
独角児大王と戦うとき、悟空に選ばれて、父親と共に参戦したりしている。
牛魔王・羅刹女戦では、大白牛(牛魔王の正体)とやりあって降伏させた。
ちなみに武器は、斬妖剣・降妖杵・火輪・カン妖刀・縛妖策・綉毬児の6つと空を飛ぶ風火輪
『封神演義』の持ち武器は、火焔槍・風火輪・乾坤圏・混天綾。
両作品共通で持ってるのは風火輪ぐらい。取経の旅路の時は、援軍としてたびたび登場する。
もっとナタ三太子を知りたい人は此方→中壇元帥進香団・日本支部

二十八宿

別名:無し

二十八宿は名前ではない。役職名のようなもの。漫画『ふしぎ遊戯』にモチーフとして登場。
天文学の天の正座を肉眼で見える太陽の軌道に沿って、二十八に分けたもの。
東方星座は、蒼龍七宿
「角・亢・テイ(氏の下に棒一本)・房・心・尾・箕」
南方星座は、朱雀七宿といって
「井・鬼・柳・星・張・翼・軫」
西方星座は、白虎七宿
「奎・婁・胃・昴・畢・觜・参」
北方星座は、玄武七宿
「斗・牛・女・虚・室・壁」
に分けられる。数は多いが、援軍としてやってきたものの黄眉老仙の持っていた木綿の袋に閉じ込められてしまう。一日一回点呼をしている。

西王母

別名:瑶池金母

仙女すべてを支配し、不老長寿の仙桃を栽培する。蟠桃園を所有している仙女。
毎年、ここの桃を賞味する会を開いていたが、管理を任された悟空に大きな桃は食べられてしまった挙句、宴会用の料理、お酒はあらされて台無しにされてしまった。
大激怒した西王母は玉帝に告訴する。絶世の美女といわれている。
天界の搖池仙府にすむ女仙の祖。これは、西遊記などにでてくるときの姿で後々の姿。
前というか、『山海経』にでてくる本来としての姿は、すさまじく、豹の尾に、トラの牙、髪は伸び放題で、遠吠えする。せいぜい髪飾りをつけている程度のみ。
玉山の岩窟に住んで、疫病や刑罰を司っている怪神だった。
王母というのに女なんだか男なんだかわからず、しかも、この怪神には、大レイ・少レイ・青鳥という三羽の猛禽類がいて、獲物を捕らえては、主人であるこの西王母のもとに運ぶ家来がいた。
そのとってきた獲物を食って生きてるため、肉食獣的で、絶壁に上って遠吠えをすると天地にとどろき、諸鳥百獣は怯えて逃げ惑うほど。
獣のような存在でも、疫病と刑罰を司る神で、人々の死を自由に決めることができる
それならば、不老長寿にすることもできるのでは?
そう考えられると、西王母は、不死の仙薬を持っていることにされ、力の持ち方が変わったことでそれに応じて姿も変化し、人型になっていった。
女性になって、聖なる女神に変化し、住むところも崑崙山にかわり、崑崙山には不死の樹が生えているとされ、それを西王母はとって仙薬としているのだ。
人物像(?)の変化が行われ、このいわれが、『西遊記』での西王母の役割になったのではないかと思われる。
西遊記内では、美女だ不死だという記述はなく。上の方で述べたように、悟空に桃を取られて怒っただけである。

四大天王

別名:四天王

持国天王、増長天王、広目天王、多聞天王(毘沙門天王)
の四人のこと。悟空が天界にいたときに兄弟づきあいをしていた。
悟空が天界に訪れるときにまず出迎えるのが彼らである。本来は、仏教界の神だが、物語では方角を守っている。
ただ、広目天王(西を守護するといわれている)に火除け傘を借りるのに南天門に行ってたりしているところから、方角の守護はローテーションで決められているようだ
ちなみに、多聞天は毘沙門天ともいわれていて、要するに李靖と同一人物。よって出番はない。

太上老君

別名:老子 太上老祖

有名な思想家を神格化したのがこの人。
道具を作るのが得意なのか、色々と作っては人様に与えている。
悟空が天上界を荒らしているときに金仙丹を食べ尽くされてしまった。
その後、悟空征伐軍が苦戦していると聞いて「金鋼琢」という腕輪を投げて悟空に一撃を与える。
捕らえた悟空を八卦炉で焼こうとした人。
実は九つ歯の馬鍬(猪 八戒所有武器)の作り手の一人であるようだ。(情報提供:青樹さん)

観音菩薩

別名:観世音菩薩 南海魚藍観音 南無観世音菩薩 大悲聖者 観音尊者 アヴァローキテーシュヴァラ 観自在光世音

インド南岸の普陀落伽山に住む。いろいろご利益がある。
処女神といわれたり、両性という説もある。悟空には「一生いかず後家だ」とかいわれた。
如来の命を受けて、西天(インドのこと)からお経を取りに来る僧を探しに長安へ行く。
その途中で、天罪に苦しんでいた沙悟浄・猪八戒・玉龍・孫悟空を帰依させ取経僧の弟子になるように説いた。長安では、玄奘に錦襴の袈裟と九環の錫杖を渡し、取経の旅へと導いた。
玄奘の前に老女の姿で現れて、悟空をいさめるために緊コと緊コ呪を渡したり、悟空の頼みに答えたりと色々助けてくれる。だが、文殊菩薩と普賢菩薩とともに美女に転じて三蔵たちを誘惑したり、飼ってた金魚が逃げ出して妖怪になり、三蔵たちの邪魔をしたり、と事の原因になったりもする。
大慈悲をもって衆生を救度することを本願とする菩薩。勢至菩薩と並んで、阿弥陀如来の脇侍をつとめる。
男か女かってところが、不思議だった
(藤原カムイさんの書く西遊記では男、岩波文庫の訳だと女となってる。最遊記では、両性)
"岩本裕著の『仏教入門』”によると観音像のあるものが女性的に描かれることの事実は、この菩薩の本質あるいは、始原型が女性であったことを示している。
男とされて、逞しくなって言ったのは、"変上男子"のシンボルとされ、"女性はブッダになれない"という古代仏教徒の女性差別の表れからではないかと語られてる。
観音を示す、初期の仏典は、法華経。法華経は北西インドで成立した。
最初の観音像は、ほとんどヌードで、インドの女神である。男でもなければ両性でもない。
「大唐三蔵取経詩話」では、一行を見守る役目にあるのは、毘沙門天だったのだが、元・明の時代になると、毘沙門天の信仰が衰え、観音になったものと言われてる。

恵岸行者

別名:木叉 木叉太子 木タク モクサ

托塔李天王の次男。木叉。観音菩薩の高弟。ちなみに兄の金タクは釈迦如来に仕える前部護法。兄弟で仏門に入り、それぞれしずかな修行の日々を送っている。
弟は、上にかいた、ナタ三太子。西遊記での役目としては観音菩薩の秘書のようなもの
悟空によって、天界があらされて、托塔李天王総指揮の討伐が行われているとき
偵察を命じられて行った彼は「どれ、猿の実力はいかほどか」といって、悟空に挑んでいった。
ちなみに、負けたものの五十、六十合も渡り合えた。
その後は、観音菩薩の仕事柄、三蔵一行を見守る役目をする。
登場回数は、那咤よりも多いが容姿に関しての描写は全くと言っていいほどない。

顕聖二郎真君

別名:二郎真君 昭恵霊顕王 小聖 小聖二郎 楊セン

民衆に親しまれている武神。
色々と諸説紛紛で秦の時代に四川地域の長官で治水・灌漑事業に尽力した李冰
その次男だとか、隋の時代の陰士(世捨て人)趙cなど
封神演義の楊ゼンという説。はては、玉帝の甥っ子だとかいわれている。
灌州の灌江口に住み、額の中央にある三つ目の姿でよく知られている。哮天犬も活躍する。
観音菩薩に推薦されて、悟空討伐を義兄弟である梅山の六兄弟を引き連れていく。
悟空は、雀、魚、果ての果てには土地廟に化けて逃げようとするものの二郎真君も応戦し、
鷹に化けたり、丹頂鶴に化けたりして悟空を追いかけた。
最終的には、天界から太上老君が投げた金鋼琢に当たって目を回した悟空を捕まえた。
西遊記内では、玉帝の妹の子。上の
別名部分で、楊ゼンと書いてあるが、違うと言う説もあるらしい。
『清源妙道顕聖二郎真君二郎宝巻』と言う本には「二郎真君が母親の雲花を太山から救い出す」という話なのだが、その中に、孫行者と戦うことにふれている部分がある。
「西遊記雑劇」では、八戒が美女の海棠(かいどう)を浚い、悟空は二郎神の助けを得て八戒をやっつけるという話もある。
二郎神が「背の高い、髭だらけの神」ではなく、軽い感じの色男で、多くの情事をもち、美妃のもとへしのび通うもののように伝える説もあるとか。
絵では、三つ目がかかれていることが多いが、描写自体には、そういうことは一切かかれていない。
だが、民衆は、三つ目ということを信じていて、名前を呼び捨てにしたり、二つ目だよとかいうと、怒られてしまうことがあるそうだ。

釈迦如来

別名:如来 如来至尊釈迦牟尼仏

天竺国佳境霊山の雷音寺に住む。西遊記の中で最強である。仏教界の御大。
暴れ猿、悟空の処置に困った玉帝が救いを求めたところ、わざわざ出向いて悟空に賭けを持ちかけた。
「私の掌から一歩でも出る事ができたら、玉帝の座をお前(悟空に)譲らせよう」
と約束。
悟空は喜んで賭けに乗り、キン斗雲に乗って、地の果てまでいく。
悟空が果てだと思ったところにあった5本の柱に名前を書いて、
あまつさえ小便までかけて帰ってきたもののそれは釈迦如来の指であったため、賭けに負けたとして五行山に閉じ込めた。寺に戻った如来は、東土にもっと仏教を広めようと思いつき、最初に観音菩薩に東土行ってもらい、取経の適任者を探すように命じた。
西遊記での釈迦如来が「私は、西方極楽世界・釈迦牟尼尊者・南無阿弥陀仏である」
と名乗っている。このうち、牟尼は"聖人"聖者の意味。南無は仏菩薩にたいして帰依する、敬礼をささげますという、唱え言葉。
阿弥陀仏は、アミターユ、あるいは、アミターバで「無量寿」「無量光」と訳される。
釈迦如来を元として、大乗仏教によって、作られた仏様である。
名乗り文句はただホントに名乗っているだけである。

千里眼・順風耳

別名:なし

玉帝のそばに控え、玉帝の目となり耳となる神将。千里眼は目、順風耳は耳の機能が卓越している。
悟空が石から生まれたとき、その目から金色の光を発したため、玉帝が驚き、様子を見に行かせた。
悟空が龍王と十代冥王に訴えられたときに、「あのときの石猿だ」と玉帝に報告した。

十代冥王

別名:十殿閻魔王

閻魔大王とはこの神のこと。一人ではない。道教の神様で、10人で構成されている。
秦広王・楚江王・宋帝王・忤官王・閻羅王・平等王・泰山王・都市王・転輪王の10人。
この中の閻羅王というのが閻魔様として有名である。
嘘をつくと舌を抜く神様。西遊記上では悲しいかな、冥界の中間管理職的な役割。
西遊記では仙人から術を習いって長寿を得たはずの悟空に寿命が尽きたとして使いをやり、冥界に呼び寄せる。「長寿を得た」はずの悟空は大激怒し、大いに暴れる。
実際、生死簿(死ぬときが描いてある名簿)の記入ミスだった。
暴れ狂う悟空になされるがまま、この冥王達はおろおろするばかりで悟空は、暴れついでに生死簿にある自分の仲間である猿たちの名前を黒く塗りつぶし消し、下界に帰ってしまう。
このあと、玉帝に御供のことを訴えた。

牛頭鬼(ごずき)・馬頭鬼(めずき)

別名:牛頭・馬頭

地獄の番人。冥界につれてこられた悟空に暴れられ、逃げ回り隠れた。
実際は日本でいわれる”鬼”の原型といわれている。

鎮元大仙

別名:鎮元子 与世同君

万寿山の五荘観に暮らす仙人。道号を鎮元子、あだ名を与世同君という。
500年前、三蔵の前世である金蝉子と「蘭盆会」で知り合っていた昔馴染み。
彼は、生まれたての赤子に似た果物『人参果(草還丹)』を栽培している。ところが、留守中に三蔵が立ち寄ったとき、ちょっとした弟子と悟空のトラブルで、この人参果の木を悟空にすべて枯らされてしまった。
帰宅してそれを知った彼は大激怒、逃げる三蔵一行たちを、袖の中にとらえるという術でとらえ、悟空に人参果をよみがえらせるよう約束させた。
結果、奔走した悟空のおかげか、観音菩薩の力を借りて無事よみがえらせてもらった。

清風・明月

別名:なし

鎮元大仙の48人いる弟子の中で一番若い二人。それでも1320歳と1200歳
鎮元大仙が玉帝に招待されて、講釈を聞きに行ったとき、留守番を任された。
姿が子供の所為で、悟空に馬鹿にされる。鎮元大仙の「留守中に三蔵一行がたちよったら、人参果を出してもてなしなさい」といういい付けを守り差し出したものの、三蔵はどうみても赤子に見えるこの果物を食せず、辞退した。そこで、ふたりはこっそり三蔵が残した人参果をたべた。

福星・禄星・寿星

別名:なし

星の精。老人の姿をしている。雷音寺で釈迦が催した「盂蘭盆会」にも参加し、それぞれが詩をしたためて謙譲した。
悟空が、人参果の蘇生法を探し回っているときに、東洋大海の蓬らい山で三人とであった。
彼らは、薬丹をもっていて、動植物なら蘇生できるすべをもってたので悟空はそれを頼りにしたものの、仙根という特別な人参果は蘇生させれないということだった。悟空は期限以内に帰らないと、禁箍呪を唱えられると怯える悟空に、「鎮元大仙は、私たちの先輩だから、尋ねていって三蔵にとりなしてあげよう」ともうしでたりした。